龍乃一味のカオスな学園生活

暗闇の中、切り傷みたいな眼が光る。

口裂け女のように、口角がつり上がった。

「あれから十年以上経つっていうのに、何しに天神地区に舞い戻ってきた？」

ジリジリと間合いを詰めていく霸龍闘とリィ。

銃口は一度も、影から外す事はない。

指一本でも動かしたら、即座にトリガーを引くつもりだった。

「また臥龍の血筋を狙うつもりか？知ってて天神地区に帰ってきたんだろう？」

霸龍闘はギリッと歯噛みした。

「どうなんだ？職業兇手・黒爪（ヘイツァオ）」

まだ霸龍闘達瑠璃一味が在学中だった頃、執拗に瑠璃一味と臥龍の血筋を付け狙っていた吸血鬼にして殺し屋の男。

天神学園の絆の深さに付け入る隙を見つけられず、諦めてこの地から去っていたと思われていたが、ここ数年、霸龍闘達エージェントの情報網に黒爪と思われる殺し屋の動きがキャッチされていた。

本当に奴ならば、必ず天神地区にやって来ると考え、霸龍闘とリィはこうして網を張っていたのだが…。