龍乃一味のカオスな学園生活

寧ろ亜鳥が心配しているのは、龍乃の中の人、臥龍の方であった。

「んやぁ、臥龍は出てこないよ？たまに父ちゃんや、翡翠の大旦那がウチに遊びに来た時は出て来てるみたいだけど。ノエルっちに話しかけたりする事はないみたいだよ。ね？」

龍乃がノエルの顔を見る。

「龍乃さんちの道場に出稽古に行った時に、一度手合わせしたかな…龍乃さんの体に慣れてないらしくて、僕に花を持たせてくれたけど」

ノエルは以前の事を思い出して言う。

つまり、この生徒会室で二人きりになっているのはあくまで『ノエルと龍乃』であって、『ノエルと臥龍』或いは『臥龍と龍乃』という訳ではないらしい。