龍乃一味のカオスな学園生活
「っ!」

技を放った琥珀自身が、鋭く息を飲む。

あまりにも鋭く放たれ、切れよく決まる序曲(ウーベルチュール)。

不殺となった新生琴月流において、無闇に相手に流血をもたらす事は望ましくないのだが、危うく初手で武の首に刃を食い込ませてしまう所だった。

琥珀の手に馴染む夕映。

馴染み過ぎて、『確実に目的を達しようとしてしまう』。

つまり刀本来の目的、『他者に致命傷を与える』事。

「危ない危ない…気を付けないとね」

「…全くだ」

あと一寸で首を刎ねられる所だった。

武ほどの剣客が身じろぎさえできず、まともに食らいかけた事に冷や汗をかく。

< 215 / 852 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop