龍乃一味のカオスな学園生活
「神聖な道場に上履きのまま入るなアル、バカタレめ」

腕組みして、フンと鼻を鳴らす鬼龍。

「げっ!究極超人!」

龍乃が顔を顰める。

かつての天神学園武闘派教師陣筆頭、早川 龍娘(はやかわ ろんにゃん)の娘である鬼龍。

彼女は母の志を受け継いで天神学園の生徒指導になり、僅か就任半年で『究極超人』の異名を拝命した。

校則違反やタチの悪い生徒を、自慢の美脚で蹴り倒す姿は、かつての完璧超人を彷彿とさせる。

そして。

「また貴様か、丹下 龍乃」

愛刀・柊を携え、鬼龍の亭主である瑠璃も道場から出て来る。

鬼龍が『究極超人』なら、体育教師である瑠璃の二つ名は『羅刹』。

羅刹とは鬼神の総称であり、破壊と滅亡を司る神。

『閻魔』と呼ばれた夕城 翡翠教諭の血を引く瑠璃に似合いの異名であった。

「あまり騒ぎばかり起こすな。貴様は仮にも生徒会長になったのだろう。生徒達の規範とならんか」

そう言って。

「さぁ鬼龍、門下生どもの指導を続けるぞ」

スルリと、鬼龍の腰のくびれに手を回す瑠璃。

「あんっ!どこ触っているアルか瑠璃!」

「腰に手を回した程度で騒ぐな。もっと別の場所も何度も触れただろう」

「馬鹿っ、生徒達の前で何言ってるアルかっ、もうっ」

いちゃつく羅刹と究極超人。

瑠璃のもう一つの呼び名は『嫁馬鹿』…。

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