龍乃一味のカオスな学園生活
冷や汗が止まらない。

道着が湿り気を帯びるほどの汗。

「危機察知能力はなかなかのものだな…流石は龍太郎が認めた拓斗の息子…」

そう言った臥龍は、ノエルの脇腹に拳を添えようとしていた。

相手の体に拳を密着させ、強く踏み込むと同時に拳を押し出して勁を与える技。

かつて龍太郎が最大の必殺技としていた…。

「浸透勁(しんとうけい)…ですか」

かつて夕城流宗主をも沈めた技を、臥龍もまた身に付けようとしていた。

組手を見ていた瑠璃が、武が、さくらが、神妙な面持ちを見せる。

夕城流にとっては、忌まわしくも警戒すべき技だ。

と。

「ノエル君」

軽やかな声と共に、琥珀が割って入った。

「交代♪」

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