龍乃一味のカオスな学園生活
道場の外で騒いでいるのが聞こえて、気になったのだろうか。

「なになに?」

「どうしたんですかぁ、瑠璃先生」

「鬼龍先生、何かありましたか?」

琥珀、セレナ、武、花といった生徒達が、道場の入り口から顔を覗かせる。

「あ…」

彼らを見るなり。

「あ゛ーーーーーーーーっ!」

絶叫する龍乃。

「お兄様たすけてえぇぇえぇぇぇっ!」

その絶叫にビビって、花が綾小路に隠れて悲鳴を上げる。

「な、何だお前!花に手を出すな!妹に手を出すのならば、不肖この夕城 武が…」

菩薩を構えて啖呵を切る武など、まるっと無視して。

「会計!保健委員!行事実行委員!放送委員!」

右から順に、琥珀、セレナ、武、花と。

指差しながら龍乃が言う。

ハトが豆鉄砲食らったような顔をする面々に。

「生徒会活動は放課後からだかんね、忘れんなよぉ♪」

少年とも少女とも男の娘ともつかない笑顔を浮かべて、龍乃は駆けて行った。

< 26 / 852 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop