龍乃一味のカオスな学園生活
「何なんだテメェ!中等部のガキが誰に物言ってんだ、あ゛ぁっ?」

ドスをきかせて怒鳴る不良達に。

「中等部だろうと高等部だろうと関係ない。未成年の喫煙は禁じられている」

その男子生徒…音無 刹那は足元の吸い殻を拾い上げて見せた。

「お前達だろう?ここで喫煙していたのは」

「うるせぇんだこの野郎!てめぇ生徒指導かっ?」

「いや、風紀委員だ…元な」

どんなに凄まれても表情一つ変えない刹那。

多少は脅えた色を見せれば溜飲が下がるものの、彼は些かも恐れる気配を見せなかった。

それが不良達の神経を逆撫でする。

「ちょ、コイツ、ヤッちゃっていい?もう我慢できねんだけど」

「構やしねぇだろ、見た感じ只の人間みたいだし。これが人外や魔族や神族だと、ちっと分が悪ィんだけどよ」

拳を鳴らしながら、大柄な不良が刹那の制服の胸倉を摑もうとする。

次の瞬間。

「序曲(ウーベルチュール)」

刹那の手元から抜き放たれた月蝕の切っ先が、不良の掌をチクリと刺した。

そう、針で突っつくように刺しただけ。

だというのに。

「いってぇぇぇぇえぇっ!」

不良、大袈裟に喚く。

手を押さえ、傷口から血が出たのどうのと、大の男が騒ぐのを見ながら。

「前奏曲(プレリュード)」

下段の峰打ちで不良の向こう脛を打ち、転倒させた!

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