龍乃一味のカオスな学園生活
刹那も去って行き、再び清掃活動。

案外見えない所に、ゴミが多い。

これを父一人で処理していたのか。

成程大変だ。

時折屈めた腰を伸ばしつつ、清掃を続ける冬樹に。

「よくやるわねぇ」

上の階から声がした。

見上げれば、2階の手摺りに腰掛ける女子生徒が一人。

「……………………………………鴉丸…亜鳥さん…」

「あら、ボーッとしてても記憶力はいいのね」

足をブラブラしながら、亜鳥は薄く笑う。

「死神と雪女…まぁ翼を持つ河童に比べれば格下だけど、なかなかの人外の血筋じゃない？それが奉仕活動なんて、謙虚な事ね」

「……………………………………上も下もありません…天神学園は、そういう学園と伺っています…」

「フ、フン…正論じゃない…」

少し面白くなさそうに、亜鳥は黒い翼を広げる。

「いい？生徒会では私の方が先輩で、妖怪としても私の方が格上だから！よく覚えときなさい！」

飛び去っていく亜鳥を、冬樹はボンヤリ見つめた。

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