龍乃一味のカオスな学園生活
「それにしても」

手紙を手にして、呆れた顔をするのは武。

「随分と稚拙な犯行声明文だな、音無。このクリスマステロ準備の忙しい時に、一体何のつもりだ?」

「馬鹿を抜かせ!俺の訳ないだろう!」

刹那は反論する。

「実は僕も刹那君じゃないと思うんだよね」

擁護したのは琥珀だった。

「この手紙の刹那君…僕の事を『小白』って呼んでるでしょ?まぁ誤字だけど。刹那君は僕の事は名前で呼ばずに、『お嬢』とか『お嬢様』って呼ぶんだよ。子供の頃からそれは変わらない」

「そういえばそうだよね、刹那っちは琥珀っちの事、お嬢様って言うもんね」

頷く龍乃。

「それに、偶然僕の下着見ちゃった事はあったけど、胸揉んだりお風呂覗いたりはまだした事ないよ」

「『まだ』とはどういう意味ですか、お嬢様」

琥珀の発言にジト目を向ける刹那。

大体、刹那の書いた文にしては誤字が多過ぎる。

まるで小学生レベルの文章だ。

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