龍乃一味のカオスな学園生活
「臥龍、コイツの事を知っているのか?」

刹那が問い掛ける。

「おぉ、知っているとも」

頷く臥龍。

この妖怪は、数百年前にこの天神の地近辺に棲みついた。

妖怪でありながら何の能力も持たず、嘘ばかりを並べて他者を騙して陥れては喜ぶ幼稚な性格。

己の容姿をコンプレックスに持ち、その容姿を隠す為に必死で変化の妖術のみ習得し、他者に成り済ます事だけは得意。

巧みな話術と変化の妖術で臥龍に喧嘩を売ったものの、無論それだけで臥龍に勝てる筈もなく、半死半生の目に遭わされ、その卑怯なやり口から『まさに外道』と名乗れば命だけは助けてやると臥龍に言われ、泣きながらその条件を飲んだ。

その後、臥龍を恐れて天神の地を離れ、以後近づく事すらしなかったのだが、最近になって臥龍が封印されたという噂を聞き、黒爪の姿に化けて天神地区に舞い戻って来たのだ。

「今も変わらず『まさに外道』か?」

「ぐ…!」

臥龍の言葉に歯噛みする外道。

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