龍乃一味のカオスな学園生活
考えている事が同じなのは、ここにも。

「…気に入らないわね」

屋上の転落防止用フェンスの上。

足をブラブラさせながら、亜鳥は龍乃の顔を思い出す。

あんなノホホンとして、何にも考えてなさそうな間抜けな娘なのに、時々半妖とはいえ人外である亜鳥をも、戦慄させるような眼をする事がある。

「翼のある河童の末裔たる私を…!」(違います)

鴉天狗とは、この国の妖怪の中でも上位に位置する大妖怪。

鴉丸の縄張りの山でも、亜鳥といえば鴉天狗の跡取りとして、翼で舞えば大抵の妖怪達は脅えて身を隠す。

なのに、この亜鳥様が逆に恐れるですって…?

「このままじゃ終われないわね…」

タンッ、と。

亜鳥はフェンスから飛び降りた。

< 43 / 852 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop