龍乃一味のカオスな学園生活
いかんな、と。

自分の頭を軽くゴツッと殴る刹那。

琴月の家で十数年育った分家の倅。

多分久遠や琴子はそんな育て方はしていない筈なのだが、持って生まれた性分か、『琥珀は琴月の大事な姫君』という印象を抱いて育った。

その姫君に想いを告げられ、また己も内に秘めていた淡い想いを伝え。

こういう関係になってもまだ、どこか自分には分不相応と考えてしまう。

そういう見方をされるのが嫌だと、以前あんなに泣きながら抗議されたというのに。

いかんな。

琥珀を指南するのは、父の久遠の役目。

俺は『次期』指南役。

琥珀に対しては、恋人であり家族でしかないというのに。

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