龍乃一味のカオスな学園生活
クリスマスツリーのある中庭から戻ると、既にケーキが配られ始めていた。

「あ!あ!僕にも!僕にもケーキ!」

食いっぱぐれるのではないかと、琥珀が慌てる。

「慌てないで下さい琥珀さん、ちゃんと参加人数分はありますから」

クスクス笑いながら、セレナが琥珀にケーキを取り分けた皿を渡す。

「貴様は呑気なものだな音無、この俺がクリスマステロを取り仕切って忙しいというのに、貴様はイチャイチャと逢引か」

「好き好んで行事実行委員を務めているくせに、泣き言とは女々しいな夕城、善殿もこれが世継ぎとは嘆いておられる事だろう」

「変態の上に軟弱と噂される世継ぎを持つ久遠殿よりは、余程恵まれていると思うがな」

「ほぉおぉぉう…?」

「何だ貴様、闘るのか?クリスマスが命日とは覚えやすくていいな?」

相変わらず次元の低い小競り合いを繰り広げる次期指南役の二人を他所に。

「ケーキ美味しー♪」

「美味しいですねぇ♪」

甘菓子を味わう琥珀とセレナ。

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