龍乃一味のカオスな学園生活
「お、喧嘩か?活気があっていいなオイ、流石天神学園だぜ」

刹那と武がチャンバラを始めるのを、龍太郎が遠目に見ている。

「相変わらず天神学園は賑やかですねぇ…騒々しいのは堪えるんですけど…」

そう言って苦笑いするのは、在学中にはあまり笑顔を見せる事のなかった不思議少年・春夏秋冬 渉(ひととせ わたる)。

天神学園では『わたるん』の方が通りがいいか。

こうして会うのは、実に久し振りの事だ。

「誠一郎君に誘われたんです。たまには学園の方にも顔出さないかって」

「たまにと言わずにマメに来いやわたるん、アルカディアと乳繰り合うのが忙しいのはわかっけどよぉ」

「どちらかというと阿行さんより、冬月君の相手の方が忙しいですけどね…」

また苦笑いする渉。

あの頃と違って、笑う事に抵抗はなくなったらしい。

控え目ながらも頻繁に笑みを浮かべる。

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