龍乃一味のカオスな学園生活
何度も床を往復した雑巾を絞っているうちに、バケツの水が濁ってきた。

「お水、換えてきますね」

セレナが水一杯のバケツを両手で持ち上げる。

既にこの時点で嫌な予感しかしない。

なのに足元には、理事長が仕掛けたとしか思えないバナナの皮が!

台本通りとしか思えないほど、綺麗にバナナの皮を踏むセレナ!

「あーれー」

お代官様に帯を解かれる町娘の如く悲鳴を上げて、セレナ宙を一回転、二回転。

そこへ。

「セレナ殿!」

三回転半した所で、武が素早くお姫様抱っこでセレナを抱き留める。

「おぉ、トリプルアクセルッ」

「10点満点ですっ」

龍乃とさくらが満場一致の満点を出す。

ってそんな事より。

「セレナ殿、怪我はないか」

「あ、有り難うございます武君…」

武の顔が近いのと、お姫様抱っこが恥ずかしいのか、セレナは頬を赤らめた。

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