龍乃一味のカオスな学園生活
「ごめんなさい!」

斜め45度。

綺麗なお辞儀で武に詫びるセレナ。

凄いなセレナ、映画始まるまでに何回謝るんだ。

「気にしなくていい」

武は全く動じない。

男子たるもの、女人には紳士であれ。

善の教えが生きている。

まぁ母の花音も妹の花も、少なからずドジっ子の傾向がある。

武の面倒見の良さは、そういう所から培われてきたのだ。

問題ない。

…いや、多少はあるが。

「もう大人しく座ってます…武君に迷惑かけちゃいますから…」

ショボンとして、武の買ってきてくれたホットミルクティーを飲もうとして。

「セレナ殿!」

武は鋭く言い放つ。

「『ホット』ミルクティーだ、熱いぞ、よく冷まして、適温にしてから、飲む方がいい」

一言一句、区切るようにして分かり易く説明する武。

「は、はい…」

コクコク頷くセレナ。

見事なミルクティーこぼしフラグ回避。

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