龍乃一味のカオスな学園生活
大抵の場合、将棋は翡翠が勝つ。

10回やって9回は確実に勝てる。

あとの1回は癇癪を起こした龍太郎が将棋盤を引っ繰り返して終わる。

龍太郎の手など、三十手先まで読める。

無知で浅はかで愚かで馬鹿なこやつなど、敵ではない。

タイマントーナメントでの対戦と違って、将棋はてんで相手にならない。

「ちったぁ手加減しろよ旦那、俺が面白くねぇだろ」

「ならばハンデをやろう」

「お、マジか?」

「俺は左手でやってやる」

「やった、これで勝ち目が見えるぜ」

「……」

やべぇよ龍太郎、気付いてねぇよ。

コイツ本物のアレだ。

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