龍乃一味のカオスな学園生活
しかし。
温い出涸らしの玄米茶を飲みながら、翡翠は何故か心地良い。
息子…瑠璃の嫁である鬼龍が初めて嫁いできた時も、茶のイロハも知らぬあの娘は不味い茶を振る舞ってくれた。
奴は濃すぎる酷く苦い茶を出したものだが。
不思議と全て飲み干せた。
味ではない。
温度ではない。
息子の嫁が、自分の為に茶を淹れてくれる。
その事だけで美味かった。
今もそうだ。
この自堕落で自分の部屋の掃除もできない龍太郎の娘の淹れた温い出涸らしが、やけに美味く感じられる。
瑠璃と鬼龍の間に出来た孫娘が、初めて淹れてくれた茶が、恐らくはこんな味なのだろうと思いながら。
温い出涸らしの玄米茶を飲みながら、翡翠は何故か心地良い。
息子…瑠璃の嫁である鬼龍が初めて嫁いできた時も、茶のイロハも知らぬあの娘は不味い茶を振る舞ってくれた。
奴は濃すぎる酷く苦い茶を出したものだが。
不思議と全て飲み干せた。
味ではない。
温度ではない。
息子の嫁が、自分の為に茶を淹れてくれる。
その事だけで美味かった。
今もそうだ。
この自堕落で自分の部屋の掃除もできない龍太郎の娘の淹れた温い出涸らしが、やけに美味く感じられる。
瑠璃と鬼龍の間に出来た孫娘が、初めて淹れてくれた茶が、恐らくはこんな味なのだろうと思いながら。