龍乃一味のカオスな学園生活
「冬樹君風邪とか引いてなぁぃ?」

「…………生まれてこの方…風邪は引いた事ありませんので…」

花の問いかけに答える冬樹。

流石雪女の息子。

寒さには滅法強い。

人間だと身を震わせるような寒さでも、彼にとっては快適な気温なのかもしれない。

というか、雪女の血筋って『寒い』という概念はあるのだろうか?

「すごいねえ冬樹君は」

言いながら微笑む花だが、息は白く、時折寒そうに両手を重ね合わせている。

「…………」

花の手を温めてやろうと手を握ろうとする冬樹。

しかし、清掃活動の途中で手が汚れているので。

「…………どうぞ」

自分の着ている上着を、花の小さな体にかける。

「風邪を引いては…………大変ですから」

< 682 / 852 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop