龍乃一味のカオスな学園生活
「もー、いちいち煩い人達だなぁ」

前に出たのは琥珀だった。

彼女は得物の夕映を。

「刹那君、持っててくれる?」

刹那に預ける。

琴月流剣客でありながら、無手で勝負を挑むつもりらしい。

そんな彼女を。

「琥珀」

呼び止める刹那。

「なぁに?僕が出るって決めたんだから。刹那君には譲らないよ?」

少しムッとする琥珀だったが。

「お前は強過ぎるんだ、そこの所を自覚して、先方に怪我をさせんようにな」

刹那の口から出たのは、琥珀の実力を信頼し切っているが故の、相手の心配だった。

琥珀にとっては、何よりの言葉だった。

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