龍乃一味のカオスな学園生活
「母上の横取りなんかしないわよっ」

まくし立てる亜鳥。

「チョコくらい自分で材料買うしっ!」

「材料?」

遊里が首を傾げ、亜鳥はしまったと口を塞ぐ。

が、時既に遅し。

「バレンタインに手作りチョコあげるん?」

遊里、赤フレームの眼鏡の下でニンマリ笑う。

この小猿は、時に人類並みの勘の鋭さを見せる事がある、小猿なのに。

「ぎ、義理チョコよ義理チョコ!新聞紙にくるんで広告の白い裏っかわに『義理』って大きく書いて渡すんだからっ!」

そりゃあ分かり易い義理だ。

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