龍乃一味のカオスな学園生活
小岩井親子の早朝の清掃が終わる頃。

「!」

黒い翼の大きな鳥が、天神学園に羽ばたいてくる。

いや、あれは鳥ではない。

鴉丸 亜鳥。

臥龍の嫁になる女だ。

給水塔の上から視線を送ると。

「あ…!」

一瞬嬉しそうな顔をする亜鳥。

しかし、すぐに表情を引き締めたかと思うと、ツイとそっぽを向いて校舎の中に入ってしまう。

つれないな。

ほくそ笑む臥龍。

だがそこがいいのだ。

あれがスンナリ甘えず、媚びないからこそ、我は気に入っているのだ。

亜鳥が素直な態度を見せ、慕うようになるまで、自分好みに染めるのもまた一興。

長き時を生きてきた臥龍は、一人の女に対してもじっくりと時間を費やす。

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