龍乃一味のカオスな学園生活
「自分勝手な男だ」

溜息をつく武。

「ごめんねぇ、武君」

刹那に代わって、琥珀が詫びる。

「琥珀殿が頭を下げる必要はないが…貴女も大変だろう。あのような偏屈者が次期指南役では」

武の言葉に、琥珀は緩々と首を横に振る。

「刹那君が人付き合い苦手なのは仕方ないの…彼は『悪意を受け過ぎた』から」

「悪意を受け過ぎた?」

ノエルが鸚鵡返しに訊ねる。

「……」

普段はよく喋る龍乃も、黙ったまま琥珀の言葉の先を促した。

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