龍乃一味のカオスな学園生活
刹那が置かれている状況を知り、その幼稚園を辞めさせるも時既に遅く。

刹那は極度に他人を恐れる子供になっていた。

琴子が泣きながら刹那を強く抱き締めたのは、後にも先にもその時一度だけ。

刹那は母が泣くのを、己のせいだと思い込んでしまったから。

琴子が泣く姿を見ると、己が泣かしたのだと思ってしまう。

『自分が人殺しの子だから』と。

琴月が人斬り流派だったのは、刹那が生まれる前の事。

刹那には何一つ非はないというのに。

年齢を経て、『人殺しの子』などという考え方が馬鹿げていると理解できるようになった。

しかし浴びせられた悪意、受けた心の傷は消えぬ。

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