恋
「好きな人が入院してるの。
ちなみに今日病院行ってきた。」
私が早口で言うと、
お母さんは
「えぇ!彼氏?」
と驚いた。
「うん。一応。」
「一応って?」
「林田くんは頼ってくれないの。」
お母さんは笑った。
「何で笑うの~?!」
「だって、
本当はどうか分からないじゃない。」
え?
「彼がどう思ってるかなんて
あんたは分かんないでしょう?」
「だけど…。」
「彼を信じなさい。
彼だって、
彼女は沙希だけでしょ?
浮気してるなら別だけど~」
「もぉ~!浮気とか言わないで~!」
「今日はいっぱい寝なさい。」
そう言うと
お母さんは部屋を出て行った。