そんなことを考えてると
もう私の家の駅だ。


菜緒に手を振って
電車を降りようとすると

「沙希、今日何かあった?」

菜緒が丸い目で私の顔を覗いた。

菜緒…

「大丈夫だよっ!」

私は明るく笑って見せた。

そっか!と菜緒はうなずき
私に手を振った。



私は菜緒に隠し事をした。

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