恋
そのとき
パァンとピストルがなった。
一走目の選手がスタートした。
林田くんはアンカーだ。
そしてアンカーにバトンが渡った。
今、林田くんのクラスは3位だ。
でも、
上位と差はない。
「キャー林田くん頑張って!」
そんな声が聞こえたと思うと
林田くんは2位の選手を抜かしていた。
あと1人…。
すると
林田くんがガクンと崩れ落ちた。
しかし、
林田くんは立ち上がって再び走り出す。
さっき抜かした選手に抜かされそうになる。
でも
林田くんは加速して
1位の選手を抜かした。
私は泣きそうになった。
200mがもう少しで終わる…。
パァンっ!
林田くんがゴールテープを切った。
…っ。
私の頬に涙が流れた。
誰にもばれないようにそっと拭いたけど。