伝説のヤンキー I
言われなくてもそれぐらいわかってるんだ
私があの人の操り人形な事ぐらい…
確かに自由になりたい。そう思う時もある。
でも、それは叶わない
兄と裕翔を守るためには…
これ以外に方法がないんだ
例え政府でも…警察でも…
あの人には逆らえない
あぁ、あの人の事を思い出すとあの人の声も思い出す
『お前は俺のだ。俺以外の物にはなるなよ。いいな?』
『お前の才能…気にいった。紗希、お前はこれから俺に尽くせ。俺に尽くしたらお前の兄もお前の異母兄弟も殺さないでおく。さぁ、どうする?』
…わかってる。
私は他の誰でもない。
あの人の物なんだ
例え10年経っても
変わらない。
私は決して
幸せになってはいけない
私が不幸になる代わりに他の人は幸せになる。
他の人が幸せなら
私はそれでいいんだ
紗希SIDE *end*