伝説のヤンキー I
「お前は自分が憎いか?」
ジュンは北川に向かって言った
「…いきなり現れてなんだよ」
「いいから答えろ」
ジュンはさっきよりも低い声で言った
ゾワッ
北川はその声…その目…その顔…ジュンが放ってるなんらかのオーラに背筋が冷たくなった
(こいつ…何者だ…)
「あぁ、憎い。それよりお前…何者だ…」
「答える必要ない」
「こっちはお前の質問に答えた。ならお前も俺の質問に答えろ」
「……何者でもない。俺はただあの人についていくだけだ」
(あの人…?誰だ…。)
「それより本題だ…お前は自分を憎いと言ったな?」
「あぁ、言った」
「なら、俺と手を組め。もし俺と手を組む気があったらこの手をとれ、もし組む気がないならこの手を振り払え」
そして…北川は…その手を
振り払った…
「いきなり現れて何者かもわからない奴と手を組む気はない」