「幽霊なんて怖くないッ!!」


………

……




そして、月曜日。


私は久しぶりに着た制服姿で、玄関にある鏡の前に立っていた。




「……大丈夫」




一人で外を歩くというのは、本当に久しぶりだ。

でも大丈夫。

秋さんからもらったお札を持っているし、八峠さんもどこかから見守ってくれている。……はず。


薄暮さんとも常に連絡が取れているし、何かあったらすぐに駆けつけてくれる約束になっている。

カゲロウは今 動いていないけれど、いつ動くかはわからない。

私が一人になった瞬間に襲ってくるかもしれないけれど、それでも大丈夫。 きっと、大丈夫……。




「……よしっ」




大きく息を吸い、それを勢いよく吐き出したあと、靴を履いて外へ出る。


天気は晴れ。 少し風があるけれど、それが逆に気持ちいい。




「しっかり勉強しなくちゃっ」




そう呟いたあと、私は学校へと向かって歩き出した。


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