「幽霊なんて怖くないッ!!」
……そうか。
八峠さんが抱えてる仕事というのは、双子を守ることなんだ。
あれ?
でも今は近くの公園に居るって言ってたよね? 双子のそばに居なくていいのかな……。
「あの……夜は双子ちゃんのところに居なくていいんですか?」
「えぇ、眠っている彼らのそばにお札があるので、それで十分です。
八峠さんは彼らが親から離れて幼稚園に行ってる時をメインにサポートしています。
まぁ、近づきすぎると不審者に思われるので、遠くからひっそりと、ですが」
「……あー、すっごくよくわかります。 確かに不審者っぽいです」
自称・霊能力者という肩書きは胡散臭いし、見た目もかなり変。
その八峠さんが幼稚園の周りをウロウロしてたら間違いなく通報されるし、何もしてなくても逮捕されそうだ。
と、そんなことを思っている私を見る薄暮さんは『ですよね』と笑っている。
そして髪の毛をかき上げながら『本人に聞かれてたら殴られそうだ』と言いながらも、どこか楽しそうだった。