「幽霊なんて怖くないッ!!」
カゲロウ本人の意思で、呪いを……?
……普通であれば、呪いをかけた本人──カゲロウに呪いが返るはずだ。
でも、カゲロウは返ってくる呪いの矛先を変えることが出来る。
つまり、カゲロウではない別の誰かに呪いが行くということ……?
「……カゲロウじゃない人に、呪いが……?」
「ピンポン、正解だ」
「だけど、依頼主が居ないのに……誰に、どうやって……?」
「居るだろ。 『カゲロウの血』と呼ばれる、俺たちがな」
──カゲロウの血。
私たちが、呪いの矛先に……?
「俺たちは奴の身代わりだ。憎たらしいことだが、それは認めなくてはいけない事実なんだよ」
「そんな……私たちは何もしていないのに……」
「そうだとしても、呪いというのは そういうものだ」
……私たち『カゲロウの血』は、カゲロウの身代わり……。
視えない人間には何もない。
だけど視える人間は狙われる。
……視えるがゆえに、狙われ続ける……。