最後の世界がきみの笑顔でありますように。~last story~
「これから、あたし達はどうなるの……?」
「ここは、天国…みたいな場所らしい。本当なら、ここに来たらすぐに生まれ変わる準備に入るらしいんだけど…」
え?
じゃあ陽はどうして生まれ変わってないの?
こうして、会えたからあたしは嬉しいけど……
「生まれ変わるなら、幸と一緒がよかったから…さ、ここに残ってた」
この寂しい高原でたった一人で………?
「……陽…ありがとう、あたし、もう一度陽と生きたい。あの、場所でずっと長く寄り添って生きていきたいよ」
「うん、俺が幸を幸せにしたい。何年、何十年経っても幸を見つけてみせる」
あたしは起き上がり、陽に抱きついた。
陽はあたしを優しく抱き留めてくれる。
「たとえ、記憶が無くなっても、陽を見つけて、陽に恋をする……」
あたしは、きっと陽以外を愛せない。
生きていたあの時も、死んだ今も、そして……
生まれ変わった未来でも…
「俺も、絶対に幸に恋をする」
あたし達はおでこをくっ付け、笑いあった。