最後の世界がきみの笑顔でありますように。~last story~
「お前ら、いいコンビだよな」
「そういえは、二人ってどこで出会ったの?」
その言葉に爽と顔を見合わせた。
どこで、とか………
前世です、とか言えないし………
「俺達は……」
「あたし達は……」
何度生まれ変わっても出会い恋をする。
出会いはこれで2回目だ。
「「ずっと昔に図書室で?」」
お互いの声がハモる。
それからクスッと笑いあった。
「何で疑問系?」
「昔って!そんなに経ってないでしょ?」
斗真と郁未は不思議そうに首をかしげた。
でも、この回答で間違いは無い。
あたし達は……
ずっと昔にここで恋に落ちて、この世界の図書室でまた出会った。もう恋には落ちていて、これからお互いを愛する時間が待っている。
「爽、あたしすごく幸せかも……」
二人には聞こえないように爽の耳元で呟く。
「いいや、俺の方が幸せに決まってる」
爽はニカッと笑いあたしの手を握りしめた。
これから、沢山の思い出を作ろう。
あの悲しい思いも、全てを乗り越えて…
今度はあたしが、爽を守っていくんだ。
もう、失わない為に、幸せになるんだ……
「爽、また川原に行きたい」
「あ、俺もそう言おうと思ってた!」
これから続く未来も、そしてまた生まれ変わっても…
あなたに恋をして、愛し合いたい…
『最後に君を』、君だけを愛していこう………