続・迷惑なイケメンに好かれました。
ベッドから降りて、部屋を出る。
「喉かわいたな…」
直ぐ目の前の階段を降りて、冷蔵庫を目指して歩く。
真っ暗なのは、いくら家でも気持ちが悪い。
別に家には私しかいないのに足音を立てず静かに歩く。
お母さんは看護師をやっていて、今晩は夜勤。
お父さん……最後に帰ってきたのは、いつだろう。
転校したけど学校に行けず引きこもって、高校は通信制のところへ進学した。
お父さんはそれを全て、お前の教育が悪いとお母さんのせいにした。
そう、 何もかも壊れたんだ。
海を手放した、あの日から。
……いや、彼を好きになってしまった時点で、運命の歯車は既に狂い始めていたのかもしれない。