続・迷惑なイケメンに好かれました。




「海が無くたって、私にはあるの!じゃなきゃわざわざ来たりなんかしない!」




突然私が現れて驚いて、戸惑ってるだけなんでしょ?

だからそんな冷たいことを言うんでしょ?



それなら耐えられる。

だって突然あなたの前から消えた時の、海の気持ちを考えたら……。





「じゃあね、海。私、市原くんと帰るから」


「芽依ちゃ、」




そう言って歩き始めた彼女を引きとめようと声を発した海の腕を掴む。




「私ね、海に拒絶されたら生きていけないと思うんだ」




こんな言葉でしか引き止めれない自分が嫌になる。

でも、これはきっと嘘なんかじゃない。




「……何言ってんだよ、莉子」




久しぶりに呼ばれた名前は、あまりにも弱々しくて、聞いてるだけで苦しくて、思わず耳を塞ぎたくなった。



神様、お願いです。

私にはこの人が必要なんですーー。








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