続・迷惑なイケメンに好かれました。

だから最初から疑ってないし、と思いながらもそう言わないと次に進まない気がしたので頷くと、満足そうに海が笑った。




「……で、元カノはどうしたの？」




だけど、その一言でその笑顔は一瞬にして崩れた。




「知らねぇよ、あんなやつ」




眉間にシワを寄せて、私から目を逸らしたままポツリと呟かれた言葉。


知らないと言うくせにその言葉には、それほどまでの力強さも意志も感じなくて、ただ考えたくない、逃げ出したいという風にしか聞こえなかった。


それはきっと、目の前の海が空のことで苦しんでいた自分と重なって見えたからだと思う。


ただ一つ違うのは、目の前にいる私があの時の海のように、あなたを送り出せないということ。

海を信じてないわけじゃないのに、何故だか背中を押してしまえば、私の元に帰って来ないんじゃないかって、不安なの。