続・迷惑なイケメンに好かれました。
「二度と会わないし、もちろん連絡を取ることもない。今更、話したいことなんて俺には無いし」
じゃあ何でそんなに苦しそうなの、辛そうなの。
でもそれを聞けば海は困ってしまうって分かってるから聞けない。
それに聞いたところで行ってらっしゃいなんて言えない私に、そんなこと聞く資格はない。
手を伸ばして、海の制服のジャケットの裾を掴んだ。
「……どうしたの、芽依ちゃん」
いつもみたいに何も考えてないように、あっけらかんとした態度でそう言ってくれたら楽なのに。
これから先、あなたの本心を見て見ぬ振りをして、そばにいることも、少しは苦しくなくなると思うのに。
……それとも、そんな顔をすれば私が背中を押してくれるとでも思ってるの?