続・迷惑なイケメンに好かれました。
情けなくて、あまりにかっこ悪い。
全てにケリを付けるまで震える体を抱きしめることさえ許されない気がして、今にも伸ばしてしまいそうな手を力一杯握りしめて堪えるのに一生懸命だった。
ーー帰ってきてね。
そう俺に言った声は、顔は、泣きそうで、まるで俺が帰ってこないならそれはそれで仕方がないと自分に言い聞かせてるように見えた。
わずかな望みに縋るように、あまりに儚い願いのように聞こえた。
いっそのこと泣いてくれた方が良くて、泣くよりもずっと悲痛な表情を浮かべながらも強がって、彼女は走り去ってしまった。
こうやって今までも芽依ちゃんは強がって、偽って、諦めてきたのだろうか。
中学時代、あの空という男を、まるでそういう運命だったんだというように諦めて、手放してきたのだろうか。
「何やってんだろ、俺……」