続・迷惑なイケメンに好かれました。
「ったく、何で莉子はいつまで経ってもこんな奴が好きなんだよ」
ーーこんだけ俺が想っているのに、ってわけか。
眉間にしわを寄せた顔は苦しそうで、どこかもう諦めにも似た感情を感じさせた。
「なあ」
俺だって思うよ、何でそんなに俺に執着するのか。
俺の何がそんなに彼女を俺に縛り付けるのか。
どうしたら、逃げ出して投げ出した俺をそんなにも健気に想えるのか。
……どうしたら俺がいないと生きていけないなんて思えるのか、理解できない。
俺なんかいない日常の方がどう考えたって幸せになれると思うのに。
俺といたってあの頃を思い出して苦しいだけだって、辛い思いをするだけだって、そんなのきっと莉子だって分かってるはずなのに。
「あいつのこと……莉子のこと、思いっきり振ってくれよ」