続・迷惑なイケメンに好かれました。
「思いっきりって……」
「もう見てらんねぇんだよ。いつまでも思い出にしがみついて救われようとしてて、これ以上傍にいたら、いつか自分がとんでもないこと言ってしまいそうで怖いんだよ」
お前にしか救えねぇんだよ、そう言って唇を噛み締めた目の前のこいつは、ただただ莉子が大切で、どうしようもなく好きなんだと思う。
好きな人の為に一生懸命で、何とか助けようと必死でもがいて、足掻いて。
だけどきっと自分じゃどうしようもなくて。
「……なあ、頼むよ。良い加減あいつをお前から解放してやってくれよ」
そんな彼女を散々傷付けた俺なんかに、一体どんな思いで会いに来て、今目の前で頭を下げているんだろうか。
……自分がどれほどダメなやつかって、これでもかってほど突きつけられた気がして、つい目を背けた。