続・迷惑なイケメンに好かれました。
「てか何であいつ俺の家知ってんだよ。……あぁ莉子に聞いたのか、ってあーもうモヤモヤする!」
勉強なんてしたくないし、するわけないし、したところで理解出来るわけないし、ゲームでもしようと思ってポケットから携帯を取り出す。
「……っ、」
電源を入れると表示されたのは、芽依ちゃんからのLINEの通知。
普段俺が送ったって基本既読無視で、たまに返信が来てもスタンプや絵文字どころか、句読点すら使ってもらえない可愛さも読みやすさも欠片もない文章を送ってきて、彼女から来るなんて夢のまた夢のようなことなのに。
普段の俺なら泣いて喜んで、枕抱きしめて、そのまま踊る勢いなのに、今は全くそんな余裕がない。
しかも内容はーー " 好きだよ " なんて、唐突でこれまた普段の彼女からは絶対に有り得ない一言。
なのに、悲しくて、どうしようもなく切ない。
芽依ちゃんはどんな気持ちで、どんな顔で、これを打って俺に送ってきたんだろう。
ーー " 俺の方が好きだよ " 、そう返事を打って送れば、もうゲームなんてする気が起きなくて、制服を着たまま俺は目を閉じた。