続・迷惑なイケメンに好かれました。





寝起きが悪い俺は、朝が嫌いだ。

でも一秒でも早く芽依ちゃんに会いたいから早起きするしかない。


だけど今日は芽依ちゃんに会うのがどこか気まずくて、だけど莉子のこと考えるのも憂鬱で。

覚悟を決めたとしても、あの男に会うのも何か嫌だななんて思っていたのに。


ーーでも、そんな心配はする必要がなかった。






「……いつから、そこにいたんだよ」


「おはよう、海」






全く成り立ってない会話。

いつも会話が成立しないって言ってる芽依ちゃんはこんな気持ちなんだろうか。


家を出ると、そこには不機嫌な俺とは対照的な、穏やかな笑みを浮かべる莉子が立っていた。

それはまるで、当たり前の光景で驚く俺の方がどうかしてるんじゃないかと錯覚を覚えるほど。





「どうしたの?海、おはよう」





不思議そうに首をかしげるのも、どうしたの?なんて台詞も彼女が口にするにはおかしいのに、何のためらいもなくやってみせる彼女に違和感どころか、恐怖すら覚える。


……あぁ、狂わせてると思わせる。







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