続・迷惑なイケメンに好かれました。
「昔よく話した公園行こう?……ちゃんと、話そう」
でもそれも今日で終わらせるから。
一度狂った歯車は完全に元に戻ることがないとしても、それでも俺は戻さなきゃいけないんだ。
なあ、莉子。
二人とも、前に進もう?
あんな悲しい記憶にいつまでも縛られて苦しむ必要なんて、無いんだから。
「うん、分かった!久しぶりだね〜楽しみ」
そう言ってニコニコ笑う彼女は俺の話が何だと思っているんだろう。
それとも気づいた上で、何も分からないふりをしているんだろうか。
……どっちにしたって、悲しすぎる。
スキップでもしそうなほどご機嫌な莉子の後ろを歩きながら、携帯を取り出して芽依ちゃんにLINEを送る。
ーー " 腹痛いから遅刻するって言っておいて。 "
小学生レベルの嘘。
でもこれで良いんだ。
きっとこれを見た芽依ちゃんは、この嘘に隠れた真実に気付いてくれるから。
そしてバカだなぁって呆れて、泣きそうな顔で笑って、きっと俺のことを待ってくれるから。