続・迷惑なイケメンに好かれました。
「あ、ブランコだ。乗りながらよく一緒に喋ったよね!」
公園につくとベンチに向かう俺に対して、莉子はブランコへと駆け出した。
あの頃も、ベンチでゆっくり話したい俺とは裏腹に彼女は楽しそうに、まるで子供みたいにはしゃいでいた。
沢山のことが変わってしまった中で見つけた変わらないものが、他のことがどれほど変わってしまったのか俺に痛感させる。
バカみたいにポジティブだ、芽依ちゃんは俺にそう言ってたけど、きっと違うんだ。
俺はそうやって現実から目を背けてただけなんだ。
だからきっと莉子はそれを待ってるんだ。
「海、早く早く!」
俺が君を突き放せなくて、行き場を無くして立ち尽くすその瞬間を。
でも、もうそんなわけにはいかないんだ。
俺には、待ってくれてる人がいるから。
素直じゃなくて、強がりで、だけど本当は自分の傷を隠すのに必死で、これ以上傷付くのに怯える、愛しくてたまらない人が。
帰ってきてね、なんて普段の彼女からは考えられない台詞を残して、俺が帰ってくるのを待ってる芽依ちゃんがいるから。