続・迷惑なイケメンに好かれました。
「はは、何言ってるの、海……っ」
「莉子は、もう俺のことなんて好きじゃないだろ?」
認めたくないと逃げ惑う彼女を捉えて、はっきりと言葉にすれば、一瞬だけ目を見開いてそのまま俯いた。
分かるんだよ、莉子。
あの頃と俺を見る瞳が、どこか違うことくらい。
それはきっと俺だってそうだから。
ーーそして、似てるんだ、出会った頃の芽依ちゃんに。
あの元彼のことで苦しんでた芽依ちゃんと、被るんだ。
「過去の好きと、憎しみの間で揺れて、苦しいんだろ?……良いんだよ、莉子、俺を恨んで」
過去の好きを今も好きだと錯覚していないと、俺に抱く感情が憎しみしかなくなるのが怖いんだろ?
莉子から逃げたくせに、何もしなかったくせに、俺だけ幸せそうにしてるのが憎くて、こうやって会いに来たんだろ?
「本当は、海がいないと生きていけないなんて、思ってないだろ?」