続・迷惑なイケメンに好かれました。

……いや、もう十分過ぎるほど傷付けてる。

泣かせたいわけじゃない。

これ以上苦しめて傷付けさせたいわけじゃない。


ただ、これから先、俺の為に、俺なんかのせいで、泣いたり苦しんだりして、こんな風でいて欲しくないだけなのに。

莉子には、幸せでいて欲しいのに。





「やだよ、海……っ」


「……お願いだから、聞いて、莉子」


「やだ、聞きたくない」


「莉子」





耳を塞ぐ両手に触れれば、縋るような瞳を俺に向けて首を横に振った。


こんなに泣き崩れる莉子は、初めて見た。

あの頃だって死にたくなるほど苦しくて辛い思いをしてたはずなのに、俺にここまで弱さを見せることはしなかった。


……莉子がこんなに苦しむ必要なんて欠片もないのに、どうして俺じゃ救えないんだろう。

そばにいること以外じゃ、彼女の救いにはならないのだろうか。





「俺はさ、莉子に会わなきゃ良かったなんて思ったこと一度もないし、これから先もそんなこと絶対に思わないよ」


「……っ、嘘だ」