続・迷惑なイケメンに好かれました。

優しさは、時に残酷だ。

俺の想いに応えられなくて、芽依ちゃんからごめんと告げられた時にそれは十分に痛感した。


受け入れてくれないなら、最初の頃のような嫌悪感丸出しを貫いて欲しいと思ってた。

そんな優しさなんて望んでないし、欲しくはなかった。


だけど、今なら分かるんだ。

そんな態度取れるわけがないってことが。





「俺にとって、やっぱり莉子は、特別だから」


「だったら、そばにいてくれたって良いじゃん…っ！！」


「でも、今の俺にはもっと大切で特別な人がいるんだ」





莉子はそんな俺の言葉に俯いてから何かを堪えるように瞬きを繰り返して、唇を噛み締めた。


ちゃんと真っ直ぐに伝えれば、きっと届くはず。




「だから、莉子には笑ってて欲しいんだよ」




彼女は、真っ直ぐで純粋で、誰よりも優しかったから。

幸せにするなんて言葉はもう言えないけど、笑ってて、幸せでいてほしいと思う。



ーーだって莉子は、俺の初恋だから。