続・迷惑なイケメンに好かれました。
「お腹は治りましたか、持田くん」
学校に着くと授業の間の休憩時間だったみたいで、廊下で芽依ちゃんが俺を待っていた。
そう言えば、毎朝こうやって芽依ちゃんを待ち伏せて、教室に入るのを邪魔してたな。
何だか懐かしくて、思わず笑ってしまった俺に対して、彼女は不服そうに顔をしかめた。
そりゃそうだ。
不安な気持ちを抱えて待ってたはずなのに、やっと現れた俺は何も言わずに突然笑い出すんだもん。
「……あぁ、バッチリ」
「なら、良かった」
「ただいま、芽依ちゃん」
ねえ、芽依ちゃん。
これから先、きっと喧嘩もするだろうし、もしかしたら泣かせることもあるかもしれない。
ただ分かって欲しいんだ。
「……おかえり、海」
今の俺が守りたいのは、大切にしたいのは、芽依ちゃんだけなんだよ。
そしてきっとこれは、ずっと変わらないと思う。
ふわりと笑った彼女の左腕を掴んで引き寄せて、俺は愛しい存在を確認するかのようにギュッと抱きしめた。
……まあ、人前で何するんだってこの後、怒られるだろうな。