強がりウサギの不器用な恋
海藤さんは、それならば6日間でと提案し、社長も賛同したが。
そんなのは即刻却下だ。
仕事でも無いのに、2日多く現地に居る意味がわからない。
そんな経費は認められない。
ペナン島に行きたければ、どうぞプライベートで、と冷淡な微笑で言い放ってやった。
だけど、プールのあるホテルを絶対に選ぶから、水着だけはとりあえず持って来ておけ、と……やいのやいの煩くて。
(プール付きのホテルも反対したが、阻止できなかった。)
「よし、行くか。」
とにかく今から、直行便でクアラルンプールを目指す。
何も物怖じしない男を目の前にすると、私の緊張も幾ばくかマシになった。